2006年02月11日

剣光「霍霍」               written by 龍吟


 「霍元甲/Fearless」は周傑倫(JayChou)という台湾の若手歌手が主題歌を歌っていることでも話題になっています。
 この周傑倫という歌手、――まあ僕の中では「美特斯・邦威」※の兄ちゃんくらいの認識しかないのですが――とにかく中国大陸メディアでは露出度の高い芸能人であります。M.A.Bookをご覧になっている人はあまり知らないかもしれませんが、実は彼には「龍拳」「ヌンチャク」という代表曲があります。今回の「霍元甲」でも「ヌンチャク」ならぬ「三節棍」と扇子の舞を披露しています。ちょっとMVを視聴してみてください。
 http://fearlessthemovie.com/video/music_video_high.html
 サビの「霍霍霍霍 霍霍霍霍フォー!」※が印象的ですが、更に完全版では次のようなジェット・リーの台詞が流れます。
 「世界の武術に優劣の差はないと思う。ただそれを遣う人間に強弱の差があるだけだ。しかし、技を競うことによって我々は本当の自分を見つけることもできる。なぜなら本当の敵とは自分自身かもしれないから。」
 映画の中でも、霍元甲と中村獅童演じる日本人武道家・田中安野との会話、また、血気にはやる霍元甲に母親が人の道を教え諭す中で同様の言葉が語られます。
 霍元甲という中国の民族的英雄が主人公なだけに、とても意味深長なメッセージとして聞くこともできますね。
 ある中国人の観客はインターネットへの書き込みの中で、この映画に込められたメッセージを次のように分析しています。
 1 本当の敵は自分自身の中にいる
 2 相手を尊重しなければ自分も尊重されない
 3 徳を以って人を服せしむる者が真の勝者である
 4 盲目的な反日をやめるべきだ

 こうしたメッセージ性の強さからか、「霍元甲/Fearless」※は、中国大陸の一部のネチズンからその「説教臭さ」を指摘されてもいるようです。
 次は日本での封切りを待って、映画の元になった「霍元甲の伝説」についての検証を試みたいと思います。

(注)
 ※「美特斯・邦威」
 現在、中国大陸の各都市に1500店ものチェーン店を持つ最大のカジュアル服のメーカーです。周傑倫(JayChou)が形象代言人(イメージキャラクター)で、店内には彼の巨大な写真が至る所に貼られています。
 ※「霍霍霍霍 霍霍霍霍フォー!」
 「霍元甲」の姓である「霍」は中国語では[huo]と発音されます。歌のサビのようにこれを連呼しますと最後には「フォー!」となって何やら日本のお笑い芸人のネタを想起させますが、「霍霍」は中国語では刀剣が閃く音を示す擬音語でもあります。例:「霍霍揮劍」。
 ※「霍元甲/Fearless」
 現在、中国で公開中の「霍元甲/Fearless」は短縮版とのこと。たしかにストーリーの展開が端折られている感があります。完全版は今月末にDVDで発売予定とのこと。
posted by 1 at 20:09| 中国武術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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